このページの画像は静岡県立中央図書館のデジタルデータを利用して構成している。また、データに関しては東京大学史料編纂所錦絵データベースを参考にした。
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左図は「大元師陛下新橋御發輦ノ圖」の中の明治天皇の肖像(拡大図)
新橋駅は東京駅が開業する1914年まで東海道線の起点であり、鉄道は日清戦争開戦のわずか一月前に広島まで延伸していた。日清戦争の開戦直後に大本営が広島に設置され、明治天皇は9月13日に皇居から新橋に向かい鉄道で広島に移動した。表題の画はこの日の物である。大本営・広島には15日に到着したが、その日に平壌の戦い、翌々日の9月17日には黄海海戦と戦争の行方を決定づけるかのような大きな戦いが行われた。東海道・山陽の各駅では天皇を迎える行事がにぎやかに執り行なわれ、9月15日付朝日新聞には「鳳輦(ほうれん)大津御通過 十四日午後二時大津特発 大元帥陛下午後一時二十七分馬場停車場(ステーション)[現在の膳所駅]に御安着五分間御停車の上御発車あらせらる奉迎の官民山を為し何れも陛下の萬歳を唱へ又毎戸国旗を掲げ二十一発の花火を打揚て祝意を表せり」と歓迎の様子が報告された。他にも名古屋・岐阜・京都・大阪・神戸での詳報が掲載されている。