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このページの画像は静岡県立中央図書館のデジタルデータを利用して構成している。また、データに関しては東京大学史料編纂所錦絵データベースを参考にした。
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日清戦争開戦直前である八月中の牙山の戦いに勝利した日本軍の様子を描いているが、実際はこのように優雅なものではなかったようだ。ぬかるんだ陸路での補給は困難をきわめたし、緒戦の豊島沖海戦で勝利したものの清国の北洋艦隊の脅威は健在で制海権を確保していない連合艦隊は海上補給にも不安を抱えていた。この後平壌に追撃戦を行うが、補給の不足は武器・弾薬、医薬品や食料に及び本当にぎりぎりの戦いが続いていたようだ。当時は補給の概念がそれほど重視されず、戦利品をうまく利用することが、求められていたようだが、敗走する敵も食料は手放さなかったようだ。
桃太郎のように敵から奪い取った戦利品を積み上げて、分捕り品として、並べる図柄は日清戦争錦絵の中に多数見られる。この絵でも右側に清国軍からのの分捕り品、銃や剣や矛や米や軍旗などが描かれ、左側には戦勝を祝う酒樽が大量に描かれている。日清戦争は近代戦への過渡期をちょうど今、移行している最中だが、表現の方は少し遅れて、未だのどかな前近代から抜け出していないようだ。