S004日本萬歳百撰百笑 北京の摘草
明治廿八年五月 日印刷
仝年仝月 日發行
印刷兼發行者 松木 平吉 東京日本橋區吉川町二番地
北京の摘草 骨皮道人
勇気勃々たる征清の兵士が二人揃って散歩に出掛けしに図らずも妙な廣場を發見出(みつけだ)せしより甲「ヤア君ー・・・コリヤどうぢやい、御同様に北京城を攻落して、ペンペン草を生して呉やうと思つて居たのに、何時の間にか此様な野原になつて、土筆だの蕨だの種々な(いろんな)物が生へちょるワミエ、ヲイ是を見給へ是を、おわらび草チワ洒落でもあるまいが、何にしても双の拳ハ振あげて居ても、元ゝ意気地のないちゃんちゃん國ぢやから、山の横面を春風チウ勢ひも◯ノウ 乙「なる程是々奇々妙々変報来ぢや、今度の戦争に就ちやア随分伯夷叔斉が多勢出来たと見えるわい、ぢやが北京で摘草をするチワのも亦一興ぢや、ナント此奴等と片ッ端からペキンペキンと折てやらうぢやないか 甲「止せ止せ藝もない、此様な物を取た所が却て荷厄介で仕方がないがや 乙「夫でも先方ぢやア、折角心土筆ぢやチウて態々(わざわざ)蕨のしを附て居るでハないか
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