041 松崎大尉軍功を顕す圖 楊洲周延
明治廿七年七月廿9日の夜半十二時頃我陸兵ハ清兵幕営の地なる成歡に向て進發し檄戦五時間の後物の美事に其敵塁を抜くのみならず次で牙山の根拠までをも奪ふの大勝利誰か一太白を浮べて大日本帝國万歳の祝声を發せざらんや而して其快戦中最も勇猛にして先登第一の功を顕ハしたるは彼の清兵が金城鉄壁と為し我兵を此處に喰止んと頼みにしたる安城川に飛込みて漲る大水の中にて兵士を指揮し遂に渡りて敵兵の中に乱入したる陸軍歩兵大尉正七位勲五等松崎直臣氏なり氏ハ旧熊本藩士にして人と為り沈毅 頗る漢学に通じ又文章を能くす明治七年飄然上京して陸軍士官学校に入り十年西南の役起るに當て氏ハ少尉試補を以て各地に轉戦し乱平きて勲六等に叙せらる尓来(爾来)累進現位に昇り前途大に有望の士なりしに惜い哉此檄戦中遂に敵丸の為めに戦死す嗚呼國家の為め誰か涙痕に咽ばざらん氏ハ安政元年に生る享年四十一歳呼。
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