国立国会図書館蔵051の異刷である。特に大きな違いはない。先月紹介した、静岡県立中央図書館蔵の「S026日本帝國陸軍牙山全勝凱旋之圖」と同じく酒樽を初めとした俵形の祝勝品や戦利品が多く描かれている。出版の日時を見るとおそらく牙山・成歓の戦いの画であるが、この時にはこのような戦利品はのぞめなかったのではないだろうか。というのも、「S017日清交戰朝鮮成観役分捕品ノ圖」に詳細に書かれている報告がリアリティを持っているように見えるからだ。敗走する時には不要な物や持っていきにくい物が残され、食料や最小限の武器などは持って逃げたと考えるのが自然であろう。
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