静岡県立中央図書館から12月分のデータを受取った。最初の一枚は、楊洲周延の「征韓論之圖」でこれは同じものが国立国会図書館にも収蔵されている。作業をしながら関連の征韓論之圖を見ていたら面白いことに気づいたのでご報告したい。
以下は、西南戦争錦絵美術館からの引用。
095征韓論之圖では御簾は左図に描かれておりその前を固めるのが三条大政大臣・二品有栖川宮・岩倉右大臣であるが、13名の人物が描かれており、名札は12枚である。
096征韓論之圖2では、このページでご覧の通り、御簾は中図にあり、前を固めるのは岩倉右大臣と二品有栖川宮である。また、人物は17名、名札は16枚である。
097征韓論之圖3では左図に御簾が描かれ、前を固めるのは仁和寺宮・有栖川宮・岩倉具視公である。人物は16名、名札は16枚、一見合っているのだが、実は右図の後ろの方の人物の数と名札があっていない。実際のところ名札は15枚と見なしていい。
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キヨッソーネ画
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さて、すべての絵で、人物の数が名札より一名多い。そして、その人物はいずれも御簾の真下に描かれている。もうお分かりだろう、明治天皇が、はっきりと絵の中に描かれていたのである。
明治神宮のホームページによると「明治天皇の御尊影といえば代表的なのが明治神宮宝物殿にある御肖像画です。(中略)明治21年、陛下37歳(数え年)のときの御尊影です。実は撮影されたのではなく、コンテ画で描かれたのでした。」
とある通りキヨッソーネが描いたものが、最も有名である。そして、写真嫌いの明治天皇は写真もそれほど残っていない。その意味で似顔絵ではないが、明治天皇の姿を描いた絵の存在は珍しいと言っていいだろう。
日清戦争錦絵美術館の方では「B006 朝鮮豊島海戦之圖」を追加した。これで大英博物館所蔵の作品は一段落したことになる。今後は国会図書館所蔵の作品を英語ページに追加していく作業を始めることになる。
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