大阪梅田はカッパ横町の古書街で日清戦争浮世絵の実物を見てきた。店は中尾松泉堂。画は小国政の「牛荘市街大戦争之図」である。残念ながら写真はNGでした。
仕事の帰りにふらりと立ち寄った所、戦争をテーマにして50セットくらい積み上げてあった。厚紙の台紙を入れて、ビニール袋の中に3枚セットで入っている形。ほとんどが武者絵で、残念ながら西南戦争関連はなかった。
「日清戦争錦絵」が全部で3セット。あと、よくわからないが、明治後半らしきものが2、3点あった。気になったのが、小国政の「牛荘市街大戦争之図」ビニール袋のままでは、裏面しか見えず、表が透けて見える程度では色や構図がよくわからない。はみだした余白の情報を読んで「日清戦争錦絵」らしいと見当をつけたものの袋から出して広げる程図々しくもなれない。ためらって眺めていたら、ご主人が親切にも出して広げてみせてくれた。余白をトリミングして、裏打ちの上、一枚の画としてみられるようになっていた。色は信じられないくらい鮮やかである。右側前景にいる日本兵は紫色の軍服に身を包んでいるのだが、ほとんど褪色していない感じだった。左側に倒れている清国兵は薄い紺の服装でこれも鮮やかである。左側奥に向かって遠景=最前線が広がっており、視線がそちらに誘導される構図になっている。炎や煙が派手に立ち上っているにもかかわらず奥の方ほど色が薄く仕上げられているので、どぎつくはなく、遠近感を感じさせる画になっている。値段はセットで2万4千円。高いのか安いのか分らないが、前に、そばと米の値段から價六銭の価値を検証した事があって、(價六銭参照)その時の結論は西南戦争錦絵のものであるが、三枚続き600円から2400円という事だったので、今は10倍以上の値段になった事になる。120年もたてば当然か!?
デジタルデータは野田市立図書館のライブラリーで見る事ができる。「b-40牛荘市街大戦争之図」である。
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