神戸映画資料図書館で安重根の映画『安重根 伊藤博文を撃つ』(1979年 北朝鮮 120分 監督:オム・キルソン 脚色:白頭山創作団 撮影:チョン・イッカン 出演:リ・インムン、ロ・ポクシル、チョ・ミョンソン)を見た。
伝記映画にしては時代背景の説明が意外と少ないので、よくわからない所が多かった。ただ、安重根が両班の出身で抗日運動のリーダーであった、という事はよくわかった。実はそんな基礎知識も無く見ていたのです。クリスチャンていうのはわからなかった。多分、意図的に描かなかったんだと思う。
安重根は現在は北朝鮮領内の黄海道の出身なので革命の志士として北朝鮮でも英雄なのかと思いきや、両班出身である事と熱心なクリスチャンであった事などから韓国での熱烈な評価とは一線を画しているようだ。映画のラストシーンでは「安重根は志士だがテロでは何も変えられない、人民を導く闘争こそが革命を成就する」というような結論が述べられた。金日成の反面教師つまり、革命の先達ではあるが、その運動は失敗に終わったというように語られているらしい。
特に印象に残った点は伊藤博文を演じた役者が本当のそっくりさんだったこと。昔の 千円札でなじんだ平面の伊藤博文が動いていたし、しゃべっていた。坂の上の雲の加藤 剛なんか、顔の似方においては問題外だった。
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